資産運用の「複利」ってなんであんなに大事っていわれるの?単利との違いと注意点を表で解説
「複利って、なんであんなに大事って言われるの?」投資の話をしていると、よく聞かれる質問です。
ざっくり言うと、複利は「利息にもまた利息がつく仕組み」です。J-FLECの用語集でも、利子にもまた利子がつくことと説明されています。この仕組みがなぜ大事と言われるのか、表と小さな例で見ていきます。
複利って、単利と何が違うの?
比べる相手は「単利」です。単利は、最初の元本にだけ利息がつく計算方法です。
複利は、ついた利息を元本に組み入れます。その合計を、次の期間の元本として利息を計算します。
| 比べる点 | 単利 | 複利 |
|---|---|---|
| 利息を計算する元 | 最初の元本だけ | 元本+それまでの利息 |
| 毎回の利息 | ずっと同じ | 回を重ねるごとに増える |
| イメージ | 同じ高さの階段 | 転がるほど大きくなる雪だるま |
身近な例で言うと、雪だるまです。転がすほど表面が広くなり、くっつく雪も増えていきますよね。
3年だけでも、差は出るの?
数字を見やすくするための仮の話ですが、100万円を年5%で運用するとします。税金や手数料は考えません。
| 経過 | 単利 | 複利 |
|---|---|---|
| 1年後 | 1,050,000円 | 1,050,000円 |
| 2年後 | 1,100,000円 | 1,102,500円 |
| 3年後 | 1,150,000円 | 1,157,625円 |
1年目は同じです。2年目から、複利では「前の年についた利息」にも5%がつきます。3年後の差は7,625円。まだ小さく見えますね。
じゃあ、なぜ「大事」と言われるの?
カギは時間です。「投資の時間」の用語集では、同じ利率なら期間が長くなるほど複利が有利になると書かれています。財務省中国財務局の解説でも、金利が高いほど、期間が長いほど効果が大きくなるとされています。金利そのものの動きは、債券の利回りと金利の関係を解説した記事で整理しています。
| 項目 | 20年後の金額(約) |
|---|---|
| 年1% | 122 |
| 年5% | 265 |
| 年7% | 387 |
松井証券のシミュレーションでは、100万円を年5%の複利で20年運用すると約265万円です。単利なら2,000,000円なので、差は653,287円まで広がります。年1%なら約122万円、年7%なら約387万円です。
積み立ての場合も考え方は同じです。京都銀行の試算では、毎月1万円を年5%で20年積み立てると、元本240万円に対して運用収益は約171万円、合計は約411万円とされています。
複利って、いつでも得をする仕組みなの?
ここは誤解されやすいところです。三つ挙げます。
誤解1:複利は増えるときだけ働く
利回りがマイナスになると、膨らんだ元本が大きい分、損も大きくなります。松井証券のコラムでも、単利運用より大きな損失になるケースがあると説明されています。いわゆる逆複利です。
誤解2:複利はお金を増やす側だけの話
お金を借りるときにも複利は働きます。J-FLECの用語集でも、借りるときも複利で金額が増えるため注意が必要とされています。
誤解3:持っていれば毎年きれいに増える
GPIFの長期分散投資のシミュレーションでは、国内外の株式・債券に25%ずつ投資した場合、1年間の保有では元本100万円を割り込んだ年がいくつかありました。一方、10年間の保有では元本割れは一度もなかったとされています。
僕は2020年3月に狼狽売りをして、底値で手放しました。雪だるまは、途中で転がすのをやめると大きくなりません。値下がりの時期とどう付き合うかは、あなた自身で考えどころだと思います。
最後に、何を確かめてみる?
もし気が向いたら、あなたが使っている預金やローンの説明書きを一つだけ開いて、利息が「単利」か「複利」かを探してみてください。見つからなくても大丈夫です。探してみるだけで、複利という言葉がぐっと身近になるはずです。