カフェのテーブルに置かれたスマートフォンとノート、コーヒーカップ

株価はリアルタイム?アプリの表示が15分遅れになる仕組みと取引時間をやさしく解説

読者からよく聞かれるのが、「アプリに出ている株価は、今この瞬間の値段ではないのですか」という質問です。僕の答えは「サービスと市場によって違います」なのですが、これだけだと不親切ですよね。

ここが分かると、数字を見るときの気持ちの持ち方が少し変わります。まず僕の失敗から、順番に話させてください。

そもそも、画面の数字は何の値段なの?

ざっくり言うと、株価欄に出ている「取引値」は、直近に成立した取引の価格です。Yahoo!ファイナンスの取引値の更新についての説明では、取引が成立したときに更新される約定値段だとされています。

見落としやすいのは、取引が成立していないときの扱いです。同じ説明によると、その場合は直近の約定値段が表示され、当日に取引があれば約定値段の横に時刻が出ます。

言い換えると、画面の数字は「最後に成立した取引の記録」です。「今なら必ずこの値段で買える」という意味ではありません。数字が長く動かないときは、値段が止まっているのではなく、次の取引がまだ成立していないだけ、ということもあります。

僕が2020年3月にやってしまった失敗

僕は2020年3月、相場が急に崩れた場面で狼狽売りをし、結果として底値付近で手放しました。目の前の値動きに気持ちを奪われ、表示が何を意味するのか落ち着いて考えられなかったのです。

証券会社で営業をしていた僕でも、自分が当事者になると、仕組みより先に感情が動いていました。

なぜ「15分遅れ」の表示があるの?

遅延表示というのは、約定の情報が発生してから一定の時間を置いて配信するやり方です。日本取引所グループの15分遅延株価情報の案内では、東証・福証・札証の上場株式の約定値段情報を、東証の相場報道システムから配信されたあと15分以上経過して提供すると説明されています。

「15分以上」という書き方がポイントです。ちょうど15分で届くのではなく、15分が最短の目安になります。

同じ案内では、日通しの四本値は1分間隔で更新し、立会開始前は前日の四本値を、後場終了後は当日の四本値を配信するとされています。つまり、数字が定期的に書き換わっていても、それが「今まさに成立した取引」を映しているとは限らないわけです。

取引が動いているのは、何時から何時まで?

遅れの話と合わせて押さえたいのが、そもそも市場が開いている時間です。日本取引所グループの説明では、東証の内国株の立会時間は次のように整理されています。

東証の内国株の立会時間と注文の受付開始
区分 時間
注文の受付開始(前場) 8:00から
前場の立会 9:00〜11:30
注文の受付開始(後場) 12:05から
後場の立会 12:30〜15:30
休業日 土日・祝日など

出典:日本取引所グループ「売買立会時(立会時間)」(ページの更新表示は2024年11月4日)

身近な例で言うと、お店の営業時間と、開店前の予約受付が別々にあるイメージです。8:00から注文は受け付けられますが、約定が始まるのは9:00から。11:30から12:30までは立会の間が空きます。

ここで説明している東証の通常の立会では、この時間外に新しい約定は生まれません。休業日の画面に数字が出ていても、それは前日の値や直近の約定値段が残っているだけ、ということがあります。

同じ銘柄なのに、サービスで違って見えるのはなぜ?

先ほどのYahoo!ファイナンスの説明では、日本株の取引値は東証・福証・札証で取引が成立したときにリアルタイムで更新され、それ以外の市場では最低15分遅れになるとされています。市場区分によって扱いが分かれているわけです。

一方、日本取引所グループの株価検索のページでは、四本値・売買高・売買代金などは発生から最低15分遅れ、時価総額は1日1回17時20分頃の更新と書かれています。情報の提供元はQUICKだと記載されています。

同じ銘柄でも、サービスごとに、さらに項目ごとに条件が違う。「株価はリアルタイムなの?」に一言で答えにくいのは、ここが理由です。

あなたなら、どこを確認しますか?

僕が今の自分に伝えるとしたら、見る順番はこの四つです。

  1. その銘柄がどの市場のものかを見る。市場区分で更新の条件が変わります。
  2. 今が立会時間の中かどうかを確かめる。休場中なら、新しい約定は生まれていません。
  3. 取引値の横にある時刻を探す。時刻が見当たらなければ、直近の約定値段が残っているだけの可能性を疑います。
  4. そのサービスの遅延に関する注記を開き、売買高や時価総額など、項目ごとの更新条件も読む。

どれも数十秒で終わります。速さを追う前に、目の前の数字がどこから来たのかを確かめる。僕はそう考えるようになりました。株価そのものがどう決まるのかについては、株価・配当・リスクをQ&Aで整理した記事もあわせてどうぞ。

次に覚えておきたい言葉を一つ

この記事に何度か出てきた「四本値(よんほんね)」。遅延情報の案内でも、1分間隔で更新される項目として登場していました。この言葉の中身が分かると、株価の画面はもう一段読みやすくなります。僕も次はそこを整理してみるつもりです。

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